デレマスが好きで仕方ない

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20話の感想-彼女達の気持ちについて-

20話観ました。

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胸が痛いです。

 

どこから書いていこうか悩みますが、何よりもまず言いたいことがあるのでそれについて、

 

未央のことを嫌いにならないであげてください。

 

未央がアイドルを辞めると言った1期6話後、ツイッターや掲示板では未央を誹謗中傷するようなコメントで溢れていたのを覚えています。

続きが放映されるにつれ、彼女が自身の行為を反省している姿や、CPのみんなと絆を深めていくことでその声は少なくなっていきましたが、それでも「未央のことは好きになれない」という声を今でもよく聞きます。

もちろんキャラクターの好みは人それぞれです、私がどうこう言えるものではありません。

しかし、もしも本田未央というキャラクターの気持ちを想像もせずに「気に食わない」「行動が理解できない」と嫌っているのなら、一度でいいので、彼女の気持ちを想像してみてほしいのです。

私なりの想像については、本記事の中でまとめます。

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今回はProject Kroneへの参加を持ちかけられたアナスタシアと凛、奈緒と加蓮

そして二人のユニットメンバーである美波と卯月、未央、それからその他のCPメンバー、それぞれの気持ちを想像しながら、彼女達の決断の裏側と真意について考えていきたいと思います。

 

  

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 美城常務から新プロジェクトへの参加を進められる凛とアナスタシア。

二人は悩みながらもそれぞれに決断し、そしてそれをメンバーに告げます。

その結果、

美波は何かを抱えつつもアーニャを後押しし

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未央は凛の決断を受け入れられず、自身も新しい何かに挑戦するためかソロ活動を決断

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卯月は混乱からどうしたらいいか分からず…しかし静かに何かを決断

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奈緒と加蓮はデビューできること、凛とできることを喜び新しい挑戦へ足を踏み出す

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今回の20話、すごく辛い回でしたが、同時にCPの強い絆と「彼女達が本当に成長するために必要なこと」を理解させられたように思います。

 

成長するために、人生には常に新しい出会いがあって、決断があって、挑戦があります。

今までの話でもそんなドラマが描かれてきたわけですが、それはCPという家があった上でのお話でした。

アイドルに成りたての彼女達にとって、CPというのはアイドルであるための基盤であり、拠り所です。そしてそれぞれがユニットとして活動していて、そこにはお互いへの信頼と愛情がある。

ではそれが無くなったら?環境が変わったら?

CPのアイドルとしてではなく、別のプロジェクトやユニットのアイドルとして活動するとき、彼女達はどうすればいいのかまだ知らないだけなのです。

常務のCP解体の危機を乗り越えて「アイドルであり続けること」を選んだ14人、そこからトップアイドルになるためには、多くの挑戦が必要になります。

1期、そして14話から19話で描かれてきた彼女達の努力と絆が試されるときが来てしまったわけですね。

今回の20話はそういう意味で最後の大きな成長への序章であり、続く話から最終話でどんな風に成長した彼女達が描かれるのか、今から不安と期待でいっぱいです。

 

 

それではまず凛の決断から掘り下げてみます。

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卯月・未央と奈緒・加蓮

NGとTP

CPと(Project Krone)PK

これらの間で板挟みになり、決断を迫られた凛

頭が良い上に優しい彼女にとって、決断するのはとても辛いことだったでしょう

凛の決断は「新しい何かを確かめるためにTPに挑戦したい、NGも抜けない」

でしたね

「夢中になれる何か」を見つけるためにアイドルになった凛

NGを続ける中で少しずつその輪郭が見え始め、楓さんとの出会いで答えが完全に見つかりそうになっていた矢先、そこに「新しい何か」が現れてしまった

それが奈緒と加蓮の3人で歌うこと、それが実現できるTP

どこかで引っかかっていた凛にとって、対抗する常務からの提案とはいえ願ってもない最高の舞台だったでしょう

その上NGも解散する必要がないとなれば、この決断は予想できるものでした

 

しかし忘れてはいけないのは、この決断をする大きなきっかけになったファーストフード店での加蓮の言葉です

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「でも私、このチャンス逃したくない」

「デビューしたいってのももちろんだけど…」

「私、奈緒と凛と3人で、もっと歌ってみたい」

この言葉の直前、凛は一度TPへの参加を断っています。

しかしその決断は、あくまでも「奈緒と加蓮をデビューさせてあげられる」という思いと「今のNGとCPを大切にする」という気持ちを天秤にかけた場合の決断だったのではないでしょうか。

奈緒と加蓮は大切な友達です。ですが今まで一緒に頑張ってきたのはNG、最もきらきらした思い出が詰まったユニット。加えてPKは対抗する常務のユニット、断ろうと考えるのも理解できます。

しかし加蓮の言葉には、「デビューはおまけで、あくまで3人で歌いたいから」という明確な思いがあります。つまり、加蓮と凛、そして奈緒は同じ気持ちだったのです。

「新しい何か」を知りたいと心のどこかで思っていても、それは自分のわがままで、卯月と未央に迷惑をかけるわけにはいかない。なんならそう思っているのは自分だけで、奈緒と加蓮はそう思っていないかもしれない…

そんな迷いから天秤にかけなかった「TPの3人で歌う」という思いは、加蓮の言葉で天秤に乗せられることになります。

 

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「この前3人で合わせたとき、すごくいい感じだった」

「この3人なら、きっとすごいことができる、そう思えた」

「凛はどうなの?、あのとき…」

 

加蓮のまっすぐな思いが、決断した凛の思いを揺らします。

そして奈緒も。

奈緒も優しい子なので相手のことを第一に考えて身を引きがちですが、一度決めたらそこからは絶対に曲げない強い芯を持つ女の子です。

加蓮の「それでも私は賭けてみたいんだ、3人で歌うってことに」「私達が感じた何かは本物だって信じてるから」という言葉に心を動かされ、凛が来てくれたらTPとして頑張ると決意します。

 

可能性の話をするならば、奈緒と加蓮の2人をCPに引きこんで、NGと組み合わせたユニットなどを組むこともできたかもしれません。

しかしまだデビューしていない2人をCPの権限だけでデビューさせられるかは疑問であることに加えて、TPに卯月と未央が加わった場合でも凛が感じた「新しい何か」が感じられるかどうかは難しいところかもしれません。

 

それからNGというユニットがどのようにして組まれたかについて考えてみると、凛の迷いの根源が垣間見える気がします。

「夢中になれる何かを見つけるため」にある意味お試しで入ったCP、そこでメンバーと顔を合わせ、たまたま揃った3人。仲は確かにいいけれど、プロデューサーが選んでユニットデビューを決めた3人です。

最初のライブでいきなり未央の一騒動がありながらも、そこからは順調にユニットとして活動してきたNG。しかしまだ凛が「夢中になれる何か」がアイドルやNGであるという確信を持った描写はありませんでした。13話ラストの「楽しかった…と思う」が一番その気持ちが大きかったところではないでしょうか。

 

嫌な言い方をすると、NGは会社が決めたメンバーでのユニットであり、凛は社交性があるので誰と組んでもうまくやっていけるポテンシャルがあったのだから、3人の仲がいいのは不思議なことではありません。なんならラブライカ+凛も想像できますし、李衣菜とでも悪くないと思います。

 

しかし凛本人が組みたいと思うメンバーとユニットが組めることになったら?

 

凛がNGのことを大切に思っていることは間違いありませんし、彼女達の絆も信じています。しかし、そんな仲のいいユニットメンバーと天秤にかけられるほどの迷い、その気持ちの根源があるとしたら、この辺りにも可能性があると思いました。

凛の感じている「新しい何か」は、ひょっとしたらNGでは見つけられなかった「夢中になれる何か」なのではないでしょうか。

 

 

そしてこの凛の決断を聞いた卯月と未央。

この二人の思いは、さらに複雑なものだと思います。

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まず未央の気持ち

「私、やだよ」

未央は明確に拒絶します。

今までずっと一緒にやってきたのだから、当然の気持ちだと思います。未央自身はNGとこの3人は最も相性がいいと感じている上、自身のわがままから一度解散の危機に瀕しながらも大成功を収めた思い入れの強いユニット。そして今はCP存続のために一丸となって立ち上がりこれからだというタイミング、リーダーとしての自負が強い未央にとっても、凛のTP参加はなんとしても防ぎたいことなのでしょう。

そして何よりも、凛には強い信頼を感じていたからこそ、裏切られたように感じて強く反発してしまったのではないでしょうか。

「その新しい何か…って、ニュージェネじゃできない?」

「私達とじゃ、駄目なの?」

凛に自分達への信頼を問う言葉。はっきり言って、この言葉は本当にずるいです。

凛自身は本当に悩んだ末の決断、けれど、この未央の問いに対する答えもすでに凛の中にはあったはずです。

「NGでは感じたことのない何かが、TPにはある」

けれど、これを口にしてしまったら、二人を拒絶してしまうことになりかねません。それに同じものをNGで感じれる可能性はまだ0じゃない。凛の優しさと迷いが、曖昧な言葉になります。

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「わからない…」

この曖昧な返事は、しかし未央にとってはNG間に感じていた信頼を壊すのには十分すぎるものでした。

最後の望みをこめて卯月に聞いてみた答えも

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「わかりません…」

ずっと自分のアイドルとしての存在と同義であったNG、これが2人の曖昧な言葉を受けて、未央本人にとっても「わからなくなった」のだと思います。

未央が逃げ出したのは、気持ちがわからなくなった2人から逃げたいという気持ちの他に、どうしたらいいかわからないことへの恐怖から逃げるためだったのでしょう。

 

1期6話でもそうでしたが、未央は他の人とは少し異なる特徴があります。

それは感情に正直で、すぐに行動に表してしまうというところです。

直情的、というほど激しいわけではありませんが、自分が納得いかないことには明確に反発を示すのです。

普段はこの気持ちをすぐに明確にする部分がポジティブに働いて、人間関係やNGの中で良い反応を生み出しているのだと思います。しかし複雑な気持ちの絡む内容のときや、集団で何かを決めるときには、自身の望むものと異なる結論が出てしまうとこれに激しく反発し、他の人の冷静な対応との対比によって理解しがたい行動のように見えてしまいます。

未央本人は一時的に感情的になりやすいだけで、時間が経てばすぐに冷静に自分の行動を見直すことができます。しかしその頃にはすでに簡単には取り返しがつかなくなっており、後に引けずにムキになってしまうのです。

 

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その場から逃げだした未央、追いかけるプロデューサー。

そして、卯月と凛に相談することもなく、後日ミーティングでソロ活動を発表することになります。

 

これだけ見ると未央は一体何をしているのか理解できませんが、ここから未央とプロデューサーの1期との違いを確認することができます。

 

まず第一に、未央は「ちょっと出てくる」と言って逃げ出しています。1期6話の時点での未央であればNGの解散をにおわせる発言があってもおかしくなかったと思います。(未央を馬鹿にしているわけではないです。)

 

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さらに未央は346プロの外ではなく、屋上へ行きます。逃げたのはあくまでも冷静になるために場所を移したかったことと、信頼を裏切られたと感じて流した涙を2人に見られたくなかったという理由からだったのではないでしょうか。

 

そしてこの場面でプロデューサーも1期より成長していることが見て取れます。

階段を駆け上る未央とすれ違ったプロデューサーは、すぐに状況を悟って未央を追いかけています。

この場面、1期6話のプロデューサーとNGの行動が対比になっています。

6話:プロデューサーが立ち尽くす、未央が走り出す、凛と卯月が追いかける

20話:プロデューサーが追いかける、未央が走り出す、凛と卯月は追いかけられない

あのときとは状況が異なるので単純な比較はできませんが、すぐには何もできなかったプロデューサーが今度は即座に未央をケアできているところに成長を感じます。

屋上で未央を見つけた直後のプロデューサーの表情にも安堵→決意が見て取れますね。

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では未央のソロ活動という決断、ここにはどんな狙いがあるのでしょう。

最初に言えることは、これが決してネガティブな判断ではないということです。

というのは、まず屋上で泣く未央に近づくプロデューサーのシーンを考えれば、そのあと2人がNGの今後について、何かしらの相談をしていることが想像できるからです。

さらにエンドロール中で何かを考えている凛と卯月に続いて、未央も何かを強く決意したかのように目を見開き、ベッドの上には舞踏会に向けて特訓の参考に借りた本が置かれています。

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また、今週のNO MAKEの中でCPのみんなにPKと未央の件を話そうと決意するプロデューサーの姿が描かれていましたが、そこでのプロデューサーの発言とちひろさんの「プロデューサーさんの顔を見ていると、大丈夫だと思えます」という言葉から、未央のソロ活動についても何かしらポジティブな考えがあると推測することができます。

 これらの材料から考えると、凛のTP参加への反発、あるいはその後押しのために未央がいたずらにソロ活動発言をしたわけではなく、ちゃんと狙いがあって言っているのではないかと考えられるのです。

 

ではその狙いとは?

まず考えられるのは、これが凛をTPとしての活動により専念させるための準備の一つである、というものです。

 未央がNGを解散させずに大事にして、かつ凛の気持ちをちゃんと組んであげられているという前提を置くと、

「ひとまずしぶりんにはTPで新しい何かを見つけられるように頑張ってもらって、その上で本当に活動したいのはNGとTPのどちらなのか、決めてもらおう。そのためにはNGの活動を少し抑えて、自分自身のパワーアップが必要だよね。」

という未央の気持ちを想像することができます。

NGかTPかの最終判断は凛に任せるとして、そのためにNGの活動時間を減らしてTPの方に時間を費やしてもらう必要がある。

けれどその間未央や卯月はアイドルの活動が減ってしまうし、何もしなかったらパワーダウンして凛が帰ってきたときにがっかりさせてしまう。

ならばいっそのことソロ活動して、凛が帰ってくるまでの間個人としてのスキルを磨く。仮に凛がTPを選んだとしても、自分はソロとしてアイドルを続けられる。

こういった真意が見えてきます。

この仮説の場合、卯月になんの相談もなしに未央個人が決断したというところが少し気になりますが、これは未央に「先に決断することで卯月にもソロ活動を決断してもらおう」という考えがあるとすれば理解できなくはないでしょう。あるいはプロデューサーと相談した結果、卯月とCPの誰か(追加加入メンバー含む)がすでに新ユニットを組める用意があるということであれば、未央とプロデューサーが相談していた内容と未央の卯月への気づかいがまとめて理解できます。

 まとめると、未央はNGを諦めておらず、その上で自身のパワーアップと凛が戻ってこなかった場合のアイドル活動の可能性を模索しているということになります。

 

 

では一方の卯月はどうするのか。

正直言ってこっちの方が選択肢が多くて判断が難しいです。

まず卯月の気持ちを考えてみます。

19話の中ですでに見え隠れしていたように、卯月はTPの歌声を聞いて凛がNGからいなくなってしまう→自身がアイドルを続けられない可能性を考えて不安がっています。

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前記事で書いた通り、養成所でギリギリプロデューサーに拾ってもらえた卯月は人一倍普通の女の子に戻ることを恐れているので、どうしてもNGを続けたいと考えているでしょう。

しかし、ここで最初の疑問として「卯月は本当にNGの存続を望んでいるのか」という点を考える必要があります。

CPに拾われた卯月はアイドルとしてデビューできると喜び、最初のデビューメンバーに選ばれてからずっとアイドルを頑張ってきました。

しかし1話ラストで凛が惚れた卯月の笑顔、これはあくまでも「アイドルになるという夢を叶えられる」ことに対する笑顔であり、NGというユニットを組めることに対する笑顔ではありません。

そしてそれ以降の話の中でも卯月は間違いなくNGのメンバーであり、3人は絆で結ばれていると感じられますが、よく考えてみるとどこか一歩自身なさげなままアイドルを続けています。これは卯月自身の謙虚な性格と「頑張ります」という口癖からそのように感じてしまっているだけかもしれないのですが、卯月にはどこかで優秀な2人の足を引っ張ってしまっているというネガティブな思いがあるのかもしれません。

また良く考えてみると、アイドルとしてデビューするという夢自体はもう叶っており、ここから先何を目指すのかという明確な目標は卯月自身にはない可能性があります。(周りに合わせて自分も頑張っているだけ)

実際に20話の中で本を持ってくる未央に対して「私、こういうの思いつかなくて、新しいこと考えるの苦手なのかも」という発言と不安げな表情から、未央に対する尊敬以外に劣等感も感じているように見えます。

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さらに決定的なのは、凛がTPの加入理由について話している場面。

凛の「感じたんだ、新しい何かを」のところでは困惑する未央に対して、どこかピンとこないような表情で聞いている卯月、そしてその後の凛の「それを確かめたいの!」という強い言葉を受けて、卯月は不思議な表情をしています。

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最初にみたときは私も何を考えている表情なのかわからなかったのですが、こうして改めて考えてみると、あれは「自分には凛のように何かを感じられないし、それを確かめようと思う明確な強い意志がない」ということを悟ってしまい、自分のアイドルとしての適性のなさを痛感して困惑している表情だったのではないでしょうか。

 そうして自分はNGにいていいのかと心のどこかで思っていた矢先に凛のTPへの参加、自身のアイドル適性の無さの痛感、それらを受けて自分はアイドルを辞めた方がいいという気持ちとNGを続けたいという気持ちがまざりあって「わかりません…」という言葉が出たのだと思います。

 

こうした卯月の気持ちを想像していたのですが、不思議なことにエンドロールでの卯月の表情はとても強い意志を感じるものでした。

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この表情は、何を決意している表情なのでしょうか?

 

まず考えられる2択は当然「アイドルを辞めるか否か」でしょう。

しかしここで安易に辞めようという決意を固めたと考えるのは早計な気がします。実際翌日普通に卯月は事務所にやってきていますし、あの表情はどちらかというと何か大きなことに挑戦しようとしている表情に見えます。

ではその大きな挑戦とは?、考えられるのは2つ。

1つは「凛が帰ってくるのを待つという決意」

 16話で未央に「どうすればいいと思う」と聞かれた卯月は「今できることを頑張る」と答えています。この何気ない選択肢はアイドルである島村卯月にとって、唯一できることである可能性があります。先ほど述べたように卯月は2人に対して少なからず劣等感を抱いています。新しいことを思い付けない自分を不甲斐なく思う卯月にとって、自分が唯一できることは何か―、エンドロール、布団中で卯月が考え出した答えは「私はNGが好き、だから今できること、NGの島村卯月として頑張り続ける」だったのではないでしょうか。

凛がTPに参加することでNGの活動は減るかもしれない。ひょっとしたら一時的に休止になるかもしれない。けれど、そんな中でもNGとして夢だったアイドルを続けていくために、そして凛が帰ってこれる場所を無くさないように、自分は未央や凛のように新しいことは思いつかないから、NGだけを精一杯やりきろう。

今までの卯月の発言や、NGという凛が最期に戻って来るであろう場所、そして何よりも本アニメにおいて笑顔の象徴である卯月という存在が最高に輝ける場所は、やっぱりNG以外に考えられないのです。

この考えならばあの表情にも納得がいきます。

 

もう1つは、「ソロ活動を始めるという決意」

未央と同じように卯月もソロ活動しようと決意していた可能性もあると思います。

書いてきたように卯月は2人に申し訳ない気持ちがある。けれどアイドルは続けたい。どちらの条件も満たすならば、ソロ活動という選択肢は十分あり得ます。そうして今まで2人に頼りきりだった自分を克服するためにもソロで活動を続け、もしも凛が戻ってくることがあるならばそのときにパワーアップした自分を見せよう。

そんな卯月らしい「頑張ります」な決意も悪くないのではないでしょうか。

これならば次回冒頭で「私もソロ活動しようと考えてました」という繋ぎから凛を送り出して仲直りする2人、それぞれソロとTPで活動し努力する3人、さらに美波の活動内容についてもヒントを与えられそうです。

 

 

それでは次にアナスタシアの決断について考えてみましょう。

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 凛と同じようにアナスタシアも

美波の気持ちと自分の気持ち

ラブライカとソロ活動

CPとPK

の間で悩むことになります。

しかしアーニャの場合、挑戦する勇気についての描写、即ちアナスタシアの成長についてをメインに描かれていたように見えました。

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これまでCPのメンバーについては

15話で凛、未央、卯月

16話でみく(+李衣菜)

17話できらり、みりあ、莉嘉

18話で杏、智絵里、かな子

19話で李衣菜(+みく)

の成長がそれぞれ丁寧に描かれてきたと思いますが、お分かりの通りまだ美波、アナスタシア、蘭子の成長についてはメインで焦点は当てられていませんでした。

なので今回の20話はアナスタシアの回だったと考えていいと思います。

 

ついでに蘭子と美波の成長回についての予想ですが、美波回は少なくとも21話か23話で描かれると思います。

というのは、後述しますが、今回のアナスタシアの決断に対する美波の反応は明らかに無理をしているように見えましたし、何か言いたいことを我慢して飲み込んでいる感じがしました。

(NG回は恐らく2話分使うと思うので)21話と22話が未央のソロ活動の真意説明、凛のTP活動、卯月の決断、仲直りまで含んだ回になるとすると、23話でアーニャのソロ活動、そして美波の本当の気持ちについての話になると予想します。あるいはその逆もあり得るので。

(正直なところ美波の本心が鍵になってNGが仲直りする気がするので、間の回もあり得る)

全26話だとすれば最後は間違いなく大きなライブ回、25話が準備回のはずなので、残る23、24話のうちどちらかで蘭子回がありそうです。また2期はCP以外の楓さんや菜々さんなどの先輩アイドルにもスポットが当たっているので、そのまとめのような回もあるでしょう。

 

アナスタシアの話に戻ります。

みんなと同じようにアイドルに成りたてのアーニャにとっても、CPという家の中でのアイドル=ラブライカという認識だったはずです。

とくにアーニャは一番年長者である美波との2人ユニット、1期で明確なアナスタシア回がなかった(美波は12話がそれにあたるように思う)ことを考えると、美波に頼りすぎていることをどこかで気にしていたのでしょう。

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今回も解散しないとはいえ、ソロ活動をするに当たって美波に相談しようとするアーニャ、しかし電話を取り出してはやめ、最後まで相談することなく一人で決断します。

ユニットメンバーに相談するのは普通のように思えますが、今回の件に関しては結局のところ「アーニャがどうしたいのか」の問題でしかありません。常務も言っていたように自らの可能性を伸ばせるチャンス、それを掴むか決めるのは自分。

相談してしまった場合、最終的な決断は「ラブライカでの決断」になってしまいますし、美波の本心が「行ってほしくない」であることはアーニャは分かっているはずなので、相談した段階で美波を苦しめることになってしまいます。

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そうした意図と文香や合宿のときの美波の言葉、蘭子の「挑戦することは楽しい」、それらを考えてアーニャは「一人で決断すること」が壁を乗り越えるために必要だと考えます。

 

挑戦すること、変わることは怖い、けれど、その先に今までよりももっと笑顔になれる可能性を感じたなら―

 

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アーニャの相談に対するプロデューサーの言葉、本当に感動しました。

プロジェクトの存続という会社的な視点ではない、本当に彼女達のことを第一に考えて支えてくれる、最高のプロデューサーであると再認識できました。

 

アーニャの決断、「あのときよりももっと笑顔になれる可能性を信じて、挑戦してみたい」

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単純に考えればPKへの参加は成功する確率と失敗する確率が50%の賭けです。

しかし飛び込んでみなければ可能性は0%。

成功する可能性が0%と50%なら、挑戦してみることは無駄じゃない。

むしろ失敗してみて初めてわかることもある。

アーニャの決断からは1期の頃にはあまり感じられなかった、アイドルとしてのアーニャの気持ちが感じられました。

他のCPメンバーもそうでしたが、アイドルとしての気持ちの変化が明確で、それが成長だと感じられるのでしょう。

 

一方で美波の方はどこか寂しそうな印象を受けました。

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たまたまプロデューサーとの会話を聞いていた美波、屋上の噴水でアーニャの気持ちを聞いて何を思ったのでしょうか。

相談しなかったことについて怒っているか、という問いに対しての美波は優しげに微笑んで否定しています。

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これに関しては恐らく本心で、相談されたこと自体には怒っても悲しんでもいないと思います。むしろアーニャが一人で決断できたことを喜んでいるでしょう。

しかしもう一つアーニャに言えない秘めた気持ちがあるとすれば、それは自分よりも一歩先に成長してしまったアーニャに置いていかれたような寂しさだったのではないでしょうか。

1期の中で一度は自分が一番年長であるということを意識しすぎて無理をした美波、けれどアナスタシアとCPのみんなもちゃんと支えてくれていて、平等な仲間だと再認識できた。

しかしここにきてみんなが少女からアイドルへ確実に成長していて、その中ですでに大人になってしまっている自分は…という不安もあるのでしょうか。ずっと一緒にはいられないという考えたことがなかった事実にも気付いてしまったような気がします。

 

「星」

「ここからじゃ、あまり見えないね」

「はい、でも…今見えないだけ…」

「きっと…そうだね」

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13話で映った夜空と対比するかのように、曇った夜空。

今のCPの現状、悩む凛やアナスタシア達を象徴するかのようです。

この辺りの心理描写と対比描写のうまさは本当にすごいとしかいいようがありません。

「この空の下」も本当にいい歌でした。

歌詞を起こしてみます。

 

聞こえてくるみんなの声が

いつも通りのなれたこの景色

怒られたり泣いたりしたり

大切なこと教えてくれたね

 

変わらなければ 気付いたときに

少しだけ切なくて 迷ったけれど

自分の道を進むと決めた

いつかこの空の下 夢をつかむため

ずっと 前に向かっていくから

明日出会える笑顔 信じているから

もっと もっと頑張れるように

あの星に願おう

 

 

20話の内容を象徴するような歌詞ですね。

そしてしっかりとキーワードである「笑顔」が入っていて、それを信じているから―

 

20話、本当に見ていて辛かったのですが、それは変わろうと彼女達が頑張っているからこそ感じられるものであり、その中にあっても1期とは違う強い意志、決意、たくましさを感じられて、嬉しい部分もありました。

次回も辛い回になりそうですが、挑戦する彼女達の姿を最後まで見届けてあげたいと思います。