デレマスが好きで仕方ない

(とりあえず)デレマスアニメの感想を書き連ねるためのブログ Twitter : gsnfizu

21話の感想と演出について+(童話的解釈へのヒント)

21話見ました。

 

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NGは最高のユニットですね。

 

NGだけでなくCPのみんな、アイドルのみんなが新しい冒険を前に、目を輝かせていました。

美波の答え、蘭子の思い、そして卯月の…

 

てっきり先週の流れから前半は心が苦しくなることを覚悟していましたが、完全な杞憂でした。

考えてみれば1期でも6話から次の7話でNG再結成までまとめきっていたので、尺の都合やイメージ上の問題、後は監督・演出さんの好みの構成なんでしょうね。しかしながら今回は最初から未央自身が考え、凛と卯月と、そしてプロデューサーが逃げずに向き合っていたので、24分間のほとんどが不安ではなく期待で溢れていました。

 

どんな展開になるか予想がつかなかった未央のソロ活動宣言。

一番気がかりだったのはなんといってもNG解散の可能性でした。

しかし前回の記事でも書いたように、20話随所で未央の発言はあくまでもポジティブなものであることが指し示されていたので、心配することはありませんでしたね。

むしろ驚いたことはわずか1話でNG、ラブライカ両ユニットの問題解決、さらには新CPと秋フェス冒頭までが一気に全て描かれた圧倒的なスピードの速さでした。

冬フェスをやるにしてももう2クッションくらいはあることを予想していたので、画面の前でしばし呆然としてしまいました。

しかしそんな驚きの早さでも一つも欠けることなく丁寧に描かれる彼女達の心の動き。スタッフさんにはどれほど感謝していいのかもはやわかりません。

 

そんなわけで先週以上に思ったこと、気付いたことがあったので記事としてまとめられるか不安ですが、私もささやかながら冒険してみたいと思います。

長くなりそうなので、今回も章に分けてみました。

 

1. 未央の気持ちとメッセージ

2. 凛の応え

3. ゆっくりと、けれど確実に前に進む卯月 

4. それぞれの冒険

5. シンデレラの物語、ついに終盤へ

番外. Project Kroneの映像から思うこと 

 

 

1. 未央の気持ちとメッセージ

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先週の話の中では凛のTP加入の話を受けて逃げ出したように見えた未央、しかし屋上で語られた未央の言葉からは2人に対する真剣な思いが溢れ、そこに大きく成長した彼女の姿が見えました。

 

「プロデューサーは私達のことを考えて黙っててくれたんだよね」

「しぶりんはさ、ずっと悩んでたんでしょ」

 

最初に出た言葉は現状の不満でも救いを求めるものでもなく、自分を想ってくれている人達に対する思いやりの言葉でした。

1期の初ライブ後、アイドルを辞めると言ったときには常に主語は「私」でした。

相手の気持ちを思いやる心の余裕がなく、アイドルとして未熟だった彼女の姿が思い出されます。

けれどそこからこれまで積み重ねてきた時間の中でCPや凛・卯月と絆を深め、未央は確実に成長していたんですね。

しかしまだ成長の途中、それも大きな変化が求められるようになったこの段階にきて、未央は苦しみます。

 

 「NG以外の道なんて、考えたこともなかったしさ……ううん、考えたくなかったっていうか…」

 

CPの欠員補充をきっかけに出会うことになった3人。

美嘉のライブのバックダンサーとして真っ先にライブを経験し、そして1度挫折仕掛けながら、サマーフェスで一緒に最高に輝いた仲間。

そんなみんなと「一緒に進みたい」という純粋な気持ちが、行き場を無くして苦しくなっていたのです。

特に未央はリーダーとしてNGをもっと輝かせようと決意していました。何度も繰り返し「リーダー」と発言していたのは、ひょっとすると自分のための言葉ではなく、凛と卯月に対する「この道で大丈夫だよ、だから一緒にいこう!」というメッセージのような意味合いもあったのかもしれません。

 

けれど、そんな未央の思いは「3人の気持ちが1つである」ということが前提のものでした。凛のTP加入という気持ちのズレが、未央の決意を迷わせます。

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「しぶりんが迷っているのは、私が何もできなかったせい」

リーダーとして、志を同じくする仲間としてずっと色々なことを考えてきた未央だからこそ、凛や卯月の苦しみは全て自分が至らなかったせいだと思い込み、自分を責めてしまっていたのです。

普通なら考えすぎだと思うかもしれませんが、一度解散の危機を招いた未央にとっては、「二度とこんなことを繰り返さない」「戻ってきてくれた2人のためにも、私は、リーダーの私が、NGを最高の舞台に連れて行くんだ」、そんな言葉にされない思いがあったようにも思います。

 

そんな未央の涙に、プロデューサーは応えてくれます。

 

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「それは違います、今までの活動に誤りがあったとは思いません」

「あなたは私が選んだニュージェネレーションズのリーダーです」

「あなた達には、これからまだまだ色々な可能性があると思っています」

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真っ直ぐな言葉。

7話の最初では未央達に対して曖昧な言葉で語りかけ、それを逃げていると責められたプロデューサーもまた、彼女達と一緒に大きく成長していることがわかります。

「当然の結果です」という言葉も、これは彼なりの真っ直ぐな言葉でした。しかしあのときはまだ十分な信頼関係がなく、お互いに経験の少なかったことが原因で誤解を招いてしまいました。

今度の言葉も嘘偽りなく、けれど誤解することなく明確に気持ちを伝えることができるように丁寧な言葉が選ばれているように感じます。

特に最後の言葉には「NGはもっと輝ける」というはっきりとした気持ちが込められています。まだ道の途中、苦しいことも辛いこともある、けれどそれを乗り越えた先には、今よりももっと輝けるステージが待っている。可能性という言葉は一見曖昧な表現のようですが、未央に、そして凛・卯月に対して、「そうなりたいかどうか、決めるのはあなた達次第です」という問いかける様な意味合いもあると思います。

 

 しかし、凛のTP加入の問題はそんな未央の迷いとは別の問題であると告げるプロデューサーと美嘉。

 

「少し違うところから見てみないとわからないものなのかもしれません」

「わからないから確かめたいと思ってるのかもね」

 

この言葉、NGだけでなく、他のCPメンバー、ひいては1期から語られてきた成長するための条件を初めてセリフで示したものであるように思います。

13話で蘭子がアナスタシアと組んだことで新しいドキドキに気付いたように、成長するために必要なのは、常に新しい挑戦を経てそれを過去の経験と合わせてより正しい道を目指すこと。

これが21話で「冒険」というキーワードに置き換えられ、新しい階段への歩みが始まることになります。

アイドルになるという最初の冒険を経た彼女達

13話の蘭子の最初の小さな冒険

20話のアナスタシアの大きな冒険

そしてそれに続く、未央、凛、卯月の3人

NG以外でやるということがどんなことなのか、それは経験したことがないからわからない。NGとしてもっと先に進むためには、一度NGの外から世界を見てみる必要がある。それぞれの冒険に踏み出すために、まずリーダーである未央がその一歩を踏み出します。

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そして卯月や凛とすれ違いながらも、何かを見つけるために舞台に集中する未央。藍子・茜の先輩アイドルに支えられながら、少しずつ手応えを感じるようになります。

そしてある日、舞台練習中に何かを思い付く未央。階段ですれ違っている場面で未央が2人にぎこちなく接していたことから、「今のままただ話合うだけじゃ、本当の気持ちは伝えられないかもしれない」という考えがあったのでしょう。そんな状況を変えるために未央が思いついた方法は、「NG以外の目線で手に入れたもの」でした。

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突然舞台の台本を渡されて卯月と凛は戸惑います。けれど

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すぐになにかを悟る2人。

ずっと一緒にいたはずなのに「知らなかった」未央の演技力が高いということ、新しい一面。それに驚いたのでしょう。

 

「あんたみたいに勝手な人なんて、もう知らないわ!」

「ぼっちゃま、落ち着いて」

「僕はもう生きられないんだ…ベッドから動けなくなって…僕は、春が来る前に…」

「ああ、可哀想なぼっちゃま」

「馬鹿ね、あんたはちっとも弱ってなんかないじゃない」

「あんたの病気の半分は、あんた自身よ!自分に呪いをかけてるんだわ!」

「まあメアリーさん、なんてことを」

「僕は君と違って身体も弱くて…本当に外に出られるの?」

「あたしだってここに来たときは身体も弱くて、それに外だって大嫌いだったわ」

「でも、マーサやディコンが教えてくれたの、外は宝物でいっぱいだって!」

「そうよ!空は高くて、ハリエニシダやヒースやバラが芽吹いているの!」

「外の空気を、いっぱいに吸って!」

「僕も…いっぱい吸えるかな?」

 

「そう、私には冒険だった」

「君の見ているものを見たかった」

コマドリが呼んでいる、あの花園」

 

「なんて美しいんだろう、僕はもっと早くにここに来るべきだったのに」

『うん、ごめん、待たせて』

「大丈夫、これからだもの!、明日も明後日もここに来ましょう!」

「そうさ!、春の次は夏、その次の秋も冬も…ずっとずっと……」

「恐れずに踏み出せば、花園は私達を待っていてくれるわ!」

「花園は生きる輝き」

「花園は魔法の場所」

「「「花園は私達の心」」」

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台本のセリフまで細かく設定されていますね。

セリフを含めて考えてみると「秘密の花園」という舞台タイトルには「秘めた気持ち」という意味が込められていたことが読み取れます。

凛の気持ちを知るためにNGを離れて舞台をやってみて分かった、新しい視点で見れば外の世界にはドキドキするものがもっとたくさんあるということ。

新しいものを見つけてワクワクしている新鮮な気持ちと、台本を使って3人で演じることによる「NGの外の世界で、私はこんな素敵なものを見つけたよ」「たとえ外に出てみたとしても、離れ離れになるわけじゃないんだよ」というメッセージが伝わってきます。

また、ここでアップになっている花ですが、まだ未央が凛の気持ちを理解できておらず悩んでいるときにも同じアングルで花が映し出されています。

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2つを比べてみると、ややズーム(注目)して+花が雨に濡れて美しく輝いている=新しい見方をすればそれ以上の思わぬ輝きに気付くことがある、ということを表しているのがわかります。

20話でプロデューサーが言っていたように、「あれ以上の笑顔になれる可能性を感じたならば挑戦してみる価値がある」わけですね。

(ついでに言えば、下の場面では最初は花にプロデューサーの影がかかっており、移動してそれが無くなる=曇っていた気持ちがプロデューサーが歩み寄ってくれたことで晴れ、未央の気持ちが落ち着いた、という表現として捉えることができます。)

 

未央ソロverのつぼみも、とても素敵でした。曲が入るタイミングだけでなく、そこできらきらした瞳で「2人に語りかける未央」と「曲を歌う未央」の気持ちとがぴったり重なって、画面を見ている私たちにまで語りかけてくれているような気がして、また涙が出ました。

 

こうして未央が踏み出した新しい階段への一歩。

凛と卯月はこれにどう応えるのでしょうか。

 

 

2. 凛の応え

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未央のメッセージを受けて、凛はTPに加入することを決断します。

TPに加入することによって未央と卯月を置いていってしまう、離れ離れになってしまうことを心配していた凛にとって、未央の伝えてくれた気持ちは本当に温かいものだったことでしょう。

「私だけじゃない、未央がそうしてくれたように、3人でもっと前に進むために、私も一度冒険してみよう」

屋上でのNG講演の直後、卯月に自分の決意を伝えるべく振り向いた瞬間のこの表情を描いたアニメーターの方は本当にすごいと思います。

それまでとは明らかに違う決意に満ちた表情。13話ラストでの晴れやかな表情とも違い、一番近いものを感じるのは凛がアイドルになることを決意したときのあの表情でしょうか。ですがあのときのどこか戸惑いを含んだものとも明らかに違います。

 

この決意に至るまで、20話で一度決意を固めたはずの凛はずっと迷っていました。

演出にも注目して、こちらも見ておきましょう。

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「しぶりんも、やりたいことやってみれば」

この場面の演出もうまいと思います。先ほどの凛が決断する場面でもそうですが、先に冒険を始めた未央に対してまだ迷っている凛(と卯月)が階段の下にいる=まだ踏み出していないことを表しています。段数も関係あるとすれば、これはお互いの心の距離としても理解できるかもしれません。後述する卯月と凛の間の段差はこれよりも少ないので。

またここの未央の言葉には、まだ伝えられるほど気持ちを整理しきれていない未央の心情が感じられます。凛の気持ちを理解するためにソロ活動を始めたけど、まだよくわからない、しかしどちらにせよ凛を後押しすると決めているので、不器用ながらTP参加を促している言葉だと思います。

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しかしまだ未央の真意は伝わらず、このときの凛には「NGなんて気にせず、TPにいっちゃいなよ」と愛想を尽かされたように聞こえてしまったのでしょう。

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未央の態度を感じて、凛は再びTP加入に迷います。

この場面ではそんな迷いを示すように柱が壁に見えるアングルとなっていますね。

それとアイマスにおいては迷い・苦しみ・悲しみ・戸惑いのシーンでは一貫して雨が降っているように演出がなされています。今回も例にもれず、前半から中盤にかけて常に雨が降っていましたね。心が曇っているということです。

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 さらにお互いの気持ちの壁を強調するシーンカット、ガラス越しの表情、この辺りの演出も定番ですね。奈緒・加蓮と対比して雨粒流れるガラス越しに映る凛=凛側に気持ちの迷いがあるということを表しているわけです。アイマス劇場版で春香が悩むシーンなどでも用いられています。

それから奈緒と加蓮が並んでいるカットでは後ろに346プロのポスターが描かれていますが、これも「こちら側にお城がある」という演出かもしれませんね。

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さらにCPの全体練習の話の中で美波もソロでやり、アーニャはPKでのみ出演することが判明。未央と仲直りできないまま、凛はさらに決断を迫られます。

凛のここでの立ち位置、衝立とかぶるようになっている辺りも気持ちの距離感を示しています。ひょっとすると左端の花にも意味があるのかもしれませんが、私は花に詳しくないので、その辺りの考察は他の方に譲ります。

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そして自らの発言を後悔する凛。

「私があんなことを言わなければ…」

未央の行動、奈緒と加蓮からのプレッシャー、CPのみんなを不安にさせているという申し訳ない気持ち。まだ少女の凛はネガティブな気持ちに追いやられ、自分を責めるようになってしまいます。

けれど、彼女は一人ではありません。

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「大丈夫です…大丈夫です!、私達3人で、頑張ってきたんですから!」

このシーン、本当に感動してぼろぼろ泣いてしまいました。

美嘉のライブのバックダンサーとして参加したとき、初めての本番に緊張から動けないでいた未央と卯月を励ました凛、ずっとそんな風に影ながら2人を支えてきた凛がここにきて最も弱気になっているのです。けれど未央と同じように、卯月も凛もお互いに確かな絆を築いてきていました。そんな絆を信じて、卯月自身も震えながら紡いだ言葉、その言葉の一つ一つの温かさはこれまでのストーリーがあってこそのものだったと感じました。

そして卯月に励まされて元気を取り戻す凛。

これがきっかけとなり、凛と卯月はようやく未央と正面から向き合うことを決意します。そして最初に述べた通り、NGはそれぞれの冒険に向けて進み始めます。

 

ちなみにこのシーン、先ほどの凛と奈緒・加蓮のシーンと比べると凛と卯月の心の距離がより近いことを表していることがわかりますね。曇っているけれど、お互いの間に心の壁はないわけです。

 

 

3. ゆっくりと、けれど確実に前に進む卯月 

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いよいよ一番気になる部分を考えていくことにします。

未央と凛はNGを一時離れ、それぞれの冒険を始めました。

残るは卯月ですが、彼女は「3人でさらに輝くために」どのような冒険をしようと考えているのでしょうか。今話ラストでは原作のピンキーキュートというユニット(卯月+美穂+智絵里)を参考にした美穂との2人ユニットを組んでいましたね。

(智絵里を入れなかった理由は単純で、CIとしてすでに組んでしまっている+これ以上ユニット解散や掛け持ちの話を入れるには尺の余裕がない+智絵里のキャラではその後の展開が難しいということでしょう。CP内でかき回す理由はありませんし。)

 

しかし演出を見る限り、どうやら卯月はまだ何かに迷っているようです。

卯月がどんなことに迷っているのか、彼女がどんな思いでユニット結成を承諾したのか考えてみます。

 

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最初に、前回20話のラストで卯月は結局何を決意していたのかを確かめてみます。

21話が始まってから、卯月は特別何かを語ることもなく、ぎこちないながらも常に凛の隣に居て、凛を支えようとしていましたね。

2人のようにソロやユニットで活動することもなく、NGとしての活動を続けている。つまり前回卯月自身が理解しているように「新しいことは思い付けないまま」だったのでしょう。しかし卯月は誰よりも素敵なものを持っています。

「新しいことは思いつけないし、私自身のこともどうしたらいいのかわからない。けれど、凛ちゃんと未央ちゃん達に私はどうして欲しいと思っているのか、何を伝えてあげられるのかはわかる」

個人的な意見ですが、卯月の新しいことを思い付けないというのは、彼女の優しすぎる心の影響なのだと思います。卯月にとって自分は常に主役ではなく、傍にいてくれる人が第一であり、ほとんど全て。だからこそ相手のことを想い、優しくできる。けれど自分のことは二の次で、自分自身に対する気持ちはわからない=自分が成長するための何かは思いつけない。未央によく「しまむーはどうなの?」と問いかけられたとき、常に言葉に詰まっていたことからも卯月のそんな性格が想像できます。

さらに言えば、アイドルになりたいという夢はあるけれど、それが叶っていた状況はNGであり、NG以外が自分の夢なのかどうか、まだわからない。彼女の夢は今、NGという他人に依存してしまっているのです。だから卯月は迷っている。

従って卯月にとっての成長とは「自分がどうしたいのかを知ること」なのでしょう。

17話でも美嘉達が似たような成長をしていたように思えますが、卯月の場合には個性やこだわりという基本がないため、明らかに違うものと私は考えています。

 

少し話が逸れました。それでは卯月の決意したことが判明するシーンを見てみます。

未央の伝えてくれたことを胸に、凛がTP参加を決意して「あのね、卯月」と振り返るシーン。

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卯月は瞳を見開き、凛が何かを言う前に「いいと思います!」とTPへの参加に賛成します。

この卯月の発言のタイミングからわかるように、卯月は「凛ちゃんがしたいと思ったことをしてほしい、だからその背中を押してあげよう」ということだけを決意していたのでしょう。

凛がNGで頑張ると言えば喜んで迎え入れて「一緒に頑張りましょう!」という言うつもりだったでしょうし、TPに参加すると決意したならば、こう言おうと決めていたわけです。優しい卯月らしい、素敵な決意だと思います。

この場合未央のソロ活動宣言のときには何故すぐに肯定しなかったのか、という疑問が生まれますが、これは単純に想定していなかったからびっくりして頭が真っ白になったから、それに加えて未央には「一緒に凛ちゃんを待ちましょう」と言おうと決意していたからでしょう。その後も何も言えなかったのは未央の真意がわからなかったから、凛の場合はすでに「新しい何かを見つけたい」という真意が見えているので、後押しする決意ができていたわけです。卯月が凛を励ますシーンで「未央ちゃんとお話しましょう」と言っていたのは、卯月自身もどうしようか決めるために言っていたわけですね。

また下のシーンのアングルも絶妙です。2章で階段での段差が冒険へ踏み出した側と踏み出していない側を明確に分けていると説明しましたが、このシーンでも冒険に踏み出した凛に対して、卯月が下にいますね。

また未央のシーンと比較して段差が少ないことから、凛と卯月(卯月の発言内容から恐らく未央とも)の間にできていた心の距離がほとんどなくなったことがわかります。さらに踏み込んで考えれば、未央のメッセージを受けて、卯月も冒険に近づいたはずです。即ち、凛と未央のいる場所に対して、卯月もあとわずか1段(2段?)にまでその距離を縮めていると考えられます。

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それから少し判断が難しいのが、スペースの解釈の問題です。

凛を見上げる卯月、その後ろには大きくスペースが取られるようにシーンカットが選ばれています。これにはいくつか(全部かも)の解釈を考えることができます。

・卯月達がアイドルとして今まで長い階段を昇ってきた(成長した)という表現

・卯月が凛に対してずっと伝えようと貯めていた気持ちの大きさを表している

・卯月の「いいと思います」という発言は本心ではなく、「自分をおいて行かないで」「ずっと一緒にNGをやろう」という秘めた想いの大きさを表している

特に最後の解釈の場合、卯月がかなり無理をして凛の背中を押していることになります。今話エンドロールで卯月が営業スマイルで写真撮影をしていたことや、無表情で衣装を探していたことを考えると、いつその気持ちが暴走してしまうのか今から不安になります。

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あえてネガティブな可能性をもう一つ上げるとすると、屋上での舞台セリフが卯月だけどこか噛み合っていないことが上げられます。

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未央と凛の会話が成立しているのに対して、卯月のセリフは使用人?の相槌のようなものばかりで、未央と凛からの返答が一つもありません。最後の「花園は魔法の場所」だけは噛み合っています。

このことを考えると、

・凛と未央が冒険しようと語りあっているのに卯月は参加できていない

・でもNGとしての気持ち(また3人で輝きたい)は一緒

という状況が読み取れます。

 「そうさ!、春の次は夏、その次の秋も冬も…ずっとずっと……」

というセリフのところでは、卯月は「冬」の部分で演技でない言葉になります。

これはそのまま冬のライブへの参加がどうなるのか今はまだわからなくて不安な気持ちと、冬もその先もずっとNGとして一緒にいられるということに対する期待の混じった感情の表れなのでしょう。

 

これらを踏まえると卯月は、NGでもっと輝くために2人が冒険しようとしていることは理解して認めているし気持ちは一緒だが、自分にはそのために何ができるのか全く思いつかず途方にくれている、という状況であることがわかります。

 

エンドロール前のプロデューサーとの会話でもそれがはっきりわかりますね。

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「ステージもCDもラジオ出演もできましたし、テレビも出ましたから……このまま3人で、頑張りたいです」

「島村さん個人としてはどうでしょうか?」

「え、私…あ……」

わざわざ指折り数えて「自分がアイドルになってやりたかったことは全てやりきってしまった」と暴露してしまっているわけです。1話でデビューを伝えられた後のプロデューサーへの質問内容がまさか本当にやりたいこと一覧だったとは思いませんでした。

前回の記事にも書いた通り、卯月はすでに夢を叶えてしまっていることがわかりました。なので、21話目にして、卯月はついに夢のその先を目指し始めることになったわけですね。

この部分、どうやらシンデレラという物語とも対応しているように思います。

詳しくは別の記事にまとめる予定ですが、童話の中ではいじわるな姉妹達と違い、シンデレラは「舞踏会に行きたい」とは言っていますが「王子様と結婚したい」とは言っていません。これを卯月に置き換えると、「アイドルになってステージで輝きたい」とは言っていますが「その先どうしたいかは想像もしていない」わけです。

そう考えるとやはり卯月が正式なシンデレラポジションなように思えてきますね。

 

それから書いていて思い付いたのですが、NGの3人は夢に対しての現在地が異なっているんですね。

凛:夢を探している(夢中になれる何か)

未央:夢の途中(色んな人と出会って仲良くなりたい)

卯月:夢が叶ってしまった(アイドルになる)

(※未央の夢は最近配信開始されたばかりのスターライトステージのアイドルコミュエピソードで語られているものなので、アニメでは夢の内容が違うかもしれません)

最初は同じ場所からスタートした3人が、アイドルとして色々な経験をしてきた結果、気付いたら夢の現在地が異なってしまっていた、それが自然とお互いの気持ちのズレに繋がり、新しく冒険を始めることになった、けれどバラバラにならないように、また同じ場所で一緒にいられるように、今度は3人で「新しく同じ夢を選んだ」

その夢が「NGでもっと輝くこと」だったわけです。

こう解釈してみると、21話の演出がなおさら素晴らしいものに思えてきます。監督さんスタッフさん本当にすごいです。

 

さて、そんな卯月は冒頭で言ったようにプロデューサーに勧められて美穂と2人ユニットを組むことになります。

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プロデューサーが卯月を気づかって言葉をかける中で「よりニュージェネレーションズを…」と言いかけたところで「やってみます!」と言っているように、自分ではどうしたらいいかわからない卯月はあくまでNGのために自分も冒険してみることを決意します。

しかしその決断の直前、卯月は再び「凛ちゃんはすごく綺麗な声してて、未央ちゃんはすごく演技が上手くって…私は…あの…」と弱音を吐いています。自分は2人のように自分らしい新しい何かを見つけられるのか、不安に思っているんですね。

しかし凛には卯月が傍にいたように、卯月にもまたプロデューサーという魔法使いが傍にいてくれました。

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「笑顔です」

1期の時点ではまだはっきりとは見えてこなかったこの言葉の真意。

それが少しずつ形を成して、卯月とみんなの夢に近づいているように思います。

 

最後のカットでの卯月の無表情にどんな意味が込められているのかはわかりませんが、それもまた1期のときとは違う、ポジティブな意味が込められているのだと信じることができそうです。

 

 

4. それぞれの冒険

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章として分けましたが、正直言ってほとんど書くことはありません。

というのは、NG以外のCPのみんなも同じようにそれぞれの冒険に旅立つということは見ていてよく分かりますし、その理由はNGの3人が語ってくれているからです。

ただ20話で美波の考えていることが明確になっていなかったこと、それが今話ではっきりしたので、蘭子や他のメンバーも含めてそれぞれが始める冒険について簡単にまとめておきたいと思います。

 

・美波の冒険

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「アーニャちゃんと私、二人とも頑張って秋のライブを成功させる、それが私の冒険なんです!」

20話では一足先に大人になったアーニャに置いて行かれたような寂しさを感じていると書きましたが、これは考えすぎだったように思いました。

美波とアーニャはすでに深い絆で結ばれており、すでに大人である美波はすぐにアーニャの気持ちと考え、そして2人が離れ離れになることはないと理解していたようです。

その上で、アーニャだけに冒険をさせることなんてできない、場所が違うけど、自分も一緒に冒険する、彼女の隣に相応しい私で居られるように、というパートナーとしてのかっこいい決意を感じました。

ついでに言うと今週のNO MAKEの中で2人はただならぬ関係(大分御幣がある)であったことが公式発表されたので、もはや心配することはないでしょう。末永くお幸せに。

美波のソロシーンも楽しみですね。(大分御幣がある)

 

・蘭子の冒険

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蘭子も密かに冒険していました。

実はこれに一番衝撃を受けたのですが、2期でずっと描かれないなと思っていた蘭子回はすでに13話で描かれていたのですね。1期の段階ではあれは唯一ソロ活動だった蘭子への救済策、CPの一体感を表すための回だとおもっていたのですが、それだけではなくすでに2期のテーマへの伏線になっていたのですね。

ソロでしか見えなかった景色にアーニャと組むことで初めて見えた新しい景色が重なって、蘭子はすでに大きく成長していたのです。考えてみると20話でもアーニャに「挑戦することは楽しいから」と言っていますし、蘭子は誰よりも先に冒険を始めていたのですね。

ラブライカとNGの件で不安になっていたCP内で勇気を出して発言したところからもそれが伺えます。原作でもそうでしたが、蘭子が熊本弁から標準語に戻って喋るというそのギャップがうまくいかされていて素晴らしいですね。

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そして蘭子の新しい冒険、小梅との2人ユニット。

NO MAKEの中では蘭子が常に標準語で喋れる相手という思わぬ関係性が判明したり、このデレマスというコンテンツはアニメ外からも目(耳)が離せないですね。

闇の眷属のコンビという相性抜群の2人。ホラー好きと苦手という違いもむしろプラス材料のように思えます。

小梅の衣装は[ゴシックホラーナイトメア]白坂小梅+のものを蘭子に合わせてアレンジしたものでしょうか。頭の薔薇がシンメトリーについているのが絶妙なアクセントなっていますね。というか小梅の髪に赤色が本当に良く似合う。

 

・CPのみんなの冒険

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NG、ラブライカ、蘭子の冒険の内容がわかりました、では残りのメンバーはどうでしょう。最後に映った秋フェスのメンバーリストを見てみましょう。

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プロデューサーから発表があった通り、秋フェスにはNGとラブライカは不参加。

蘭子と小梅の2人ユニットはローゼンブルクアルプトラウムに、

アスタリスクは夏樹と菜々さんが加わって*withなつななになるようです。

(ローゼンブルクアルプトラウムがリストにすでに記載されているので、新*の方のユニット名もこれで確定なんでしょうね)

そしてCIと凸レーションは同じメンバーで参加。

これを見るとCIと凸レーションは冒険しているのか疑問に思ってしまいそうですが、ユニットごとに成長速度や適性は違いますし、他のメンバーに変化が求められているのと同じくらい、変わらないでいるという選択肢もとても難しいものだと思います。それに16話でみくと菜々さん、17話で凸レーション、18話でCI、19話で李衣菜と夏樹の具体的な成長が描かれてきたように、メンバーは同じでも彼女たちもすでに冒険を始めていると考えるのが自然でしょう。

何よりもCPには(たとえ場所は違っても)全員揃ってプロジェクト存続という大冒険が待っているわけですからね。

その辺りのCPの絆の強さの描写は、きらりの「みんなの問題だからみ~んなで考えよう☆」という言葉に象徴されている通り、今回もしっかり描写されているのがまた嬉しいところ。焦点の当たるキャラクターはいるけど誰も脇役にならないのもデレマスのいいところですよね。

 

それからNGとラブライカ(美波)のそれぞれの決意が語られるシーンでは、異なるメンバーが見守っていましたね。あれには何か意図があるのでしょうか。

NGの方は

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ラブライカの方は

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という組み合わせですね。

ラブライカの方に蘭子がいるのは構成上当然だとして、他はどうでしょう。

凸レーションはセット、アスタリスクもセットですが、CIだけ智絵里、杏+かな子に分かれています。そして美嘉も。

屋上で美嘉が「あんたたちも輝けるよ」というシーンがあるので城ヶ崎姉妹はセットにする必要があるとすれば、この時点で4:1、残りのメンバーは5人です。均等にメンバー分けするならばNGにあと1人しか入れないわけですが、そこに智絵里が入ります。

あくまで想像ですが、アスタリスクは冒険の方向が違っては困る(というかこの2人もただならぬ関係なので別れてもらっちゃ困る)というスタッフの意図から消去法としてCIのメンバーを分けることにしたのではないでしょうか。だったら杏をNGの方に回せばあんきらとしても相性が良くなるのでは…とも考えられますが、そもそもこのシーンはあくまでCP全員で冒険することが語られるシーンなので、そこまできっちり分ける気はなかったのだと思います。ようするにこの考察自体特に意味はないと思います、失礼しました。

ただし20話の時点から気になっていた美嘉がいる理由は、多分これが関係している部分もあるのだと思いました。

あくまでもNGをライブデビューさせることになった(最初に輝きを教えてくれた)存在としての美嘉姉がいることによって、「最初の輝きが次の新しい輝きへ背中を押してくれる」ということを暗に表現することが目的だと思うのですが、見守る人数が均一でないと仲の良いメンバーと悪いメンバーがいるのではという邪推に繋がりそうなので、それを埋めるための役割もあったんだろうなと個人的には想像します。 

 

 

5. シンデレラの物語、ついに終盤へ

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2期が始まりすでに8話。2期も1期と同じく13話、あるいは12話構成だとすればすでに前編、中編が終わり、いよいよ後編が始まるタイミングです。

それを表すかのように迫る秋フェス。

20話の未央の爆弾発言からあっというまに時を越えて22話は秋フェスが描かれることになると思いますが、一体どうなっていくのでしょうか。少し予想してみます。

 

秋フェスが描かれると言った直後であれですが、22話では多分秋フェスについては描かれません、少なくともライブシーンはない、あるいはメインではないのではないでしょうか。

 正直根拠らしい根拠はなく、デレマススタッフさんならやりかねないなという完全な思い込みなのですが…。

まず第一に、あくまでもライブシーン本番は冬フェスのものを描くはずだということです。もちろん膨大な作業量をこなすスタッフさんなら秋フェスのライブも素晴らしいクオリティで仕上げてくれそうですが、あくまでも目玉のライブは冬フェスのはずです。ヘタに秋フェスのライブを描いてしまうと、秋→冬への盛り上がりが緩やかになってしまう恐れがあります。

また構成上も秋フェスをちゃんと描かない理由があると思います。それは秋フェスの目的が「PKが大成功する一方で、CPが何かしらの失敗をして結果的に解散させられる」ということを狙っているのだと推測できるからです。残りの話数的には準備+ラスト回での25,26話を除いて22.23,24話しか残っていないはずです。その中で劇的なドラマを描くには、やはり今まで匂わせてきたCPの解散が不可欠だと思います。

つまり

22話でライブ失敗→解散、途方にくれるメンバー→23話で小さなきっかけ、打開策を見出し始めるプロデューサーやメンバー→24話で最後のチャンスをくださいと言って常務に交渉し、かろうじてチャンスを得るCPと戻ってくる凛とアーニャ

という展開が予想できます。

といっても、私自身打開策なんてまったく思いつかないので、解散は部分的に、あるいはライブ不参加の未央と卯月だけが対象外で除籍になり、そこからCPがうまくいかずに悩む、といった違いはあるかもしれません。

それからもう一つ理由があって、それはシンデレラのお話との対応のためです。

シンデレラでは舞踏会から帰ったあとに、シンデレラは魔法がとけて普通の女の子に戻っています。そのあとに王子様が見つけてくれるまでシンデレラは元の生活を続けなければならないので、これに対応するならばかなり辻褄があうな、と。

もっともこれは秋フェスが舞踏会であると仮定した場合なので、そうなった場合に冬フェスは何に対応するの?結婚式?という新たな疑問が出てきますが、まあそこは(仮)なので…(無理やり)

 

以上のことから次回は

冒頭でいきなりCP解散のお知らせ→ライブシーンの回想が始まる→PK大成功→CPも最初は成功→ところが途中で何かしら失敗→常務から解散を告げられる→CPメンバーが去っていく

という構成になるのではないかと。

本音を言えば誰にも悲しい思いをしてほしくないのでこの展開にならないことを祈っていますが、やっぱりデレマススタッフさんならやりそう

最後がハッピーエンドになるとわかっていてもラスト手前のドキドキは怖いですね。

 

最後に次回のタイトルについて

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これを最初に読んだとき真っ先に思いついた訳は「新たな光に会いに行こう」だったのですが、この記事を書いてる途中にそれは違うなと思い直しました。

素直に訳せば「星が見える最高の場所」なので、これはライブをしているメンバーの視点、あるいはライブを見ている人(未央と卯月含む)の視点を表していると思います。

しかし忘れてはいけないのは、1期6話でも「Finally, our day has come!」と幸せな雰囲気を漂わせておいて見事に鬱展開だったことです。要するにタイトルは展開の当てになりません。怖い。

 

 

 

 番外. Project Kroneの映像から思うこと

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今話は冒頭にProject Kroneの映像が流れました。

奏、ありす、フレデリカ、周子、文香、唯、アナスタシア、そして凛、奈緒、加蓮の10人のグループということになります。

美城常務の言う「お城にふさわしいお姫様」を体現する適切なメンバーがこの10人というわけですね。(中身がふさわしいか怪しい人がいるとかいうのは気にしない)

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(それにしてもTPの衣装すごくいいですね、原作のカード衣装とは違うようです、特に加蓮の帽子がすごくキュート、これから加蓮+帽子が流行りそうで嬉しい)

 

そんな10人で描かれる新たな346プロブランドイメージを表すPV(21話の時点ではTPは映っていませんが)には色々と気になるところがあります。

順番に見ていきましょう。まずは具体的な言葉が書いてあるところ。

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The brilliance took everyone's breath away.=その輝きは見る者すべてを魅了する

The story will never end.=永遠に終わることのないおとぎ話

 

ダークトーンの中に目を見張るような美しさを兼ね備えた少女達、美嘉姉が大人な女性への方向転換を迫られたように、美城常務の考えるブランドイメージというのはシンデレラなどのおとぎの世界から現れたような不思議でアダルトな美しさを持つ存在なのでしょう。黒という色にこだわりがあるようにも見えます。

では続いてPVの構成とストーリー

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崩れたお城(小さすぎるような気もするので家?)、椅子の上にある紅いりんご(蔦?が周りを囲んでいる)、そこから各アイドルのイメージカット、りんごを掴むと美しい蝶が飛び立ち、その蝶が崩れたお城を再生する、そして手元に戻ってくる蝶

 

素直に考えると崩れたお城=ブランドイメージの曖昧な346プロをPKが再生するというシンプルなストーリーですね。蝶がお城を再生しているということは蝶=美しいブランドイメージ、ブランドイメージが出てくるところは…メディア?りんごはメディアを表しているのでしょうか、これはなんだかしっくりきません。そもそもりんごと言えばシンデレラではなく白雪姫ですし。もしも白雪姫がモチーフだとしたら、蝶=毒が溢れだしているとも考えられてしまいます。

とすればりんごにはもっと別の意味があるはずです。

他にりんごから想起されるものと言えば、旧約聖書に出てくる禁断の果実ですね。宗教や地域により解釈が違いますが、この果実には不道徳や快楽などの意味があります。

りんごの色が目を引くほど鮮やかな赤色をしていることと合わせて考えると、「怪しげな魅力であなたを虜にする」というような意味合いがあるのだと想像できます。

そうするとりんご=PKのアイドル自身であり、拾い上げている手は346プロ=常務でしょうか。最初の手が奏のものかはわからないので、この方向の解釈で良さそうな気がしますね。蝶が戻ってくる手は奏のものだとはっきり映っており、これはイメージが元のところ(アイドル)に帰ってくるということでしょう。ブランドイメージが広まることで346プロのイメージが変わり、それがさらにアイドル自身のイメージにも還元されるということですね。

 

途中で映るアイドルのイメージカット、これは「おとぎ話の世界に入る前の少女達」という演出なのでしょう。周子や唯はあまりブランドイメージにそったカットに見えないので…(唯が咥えているものが五平餅に見えたのは内緒)

それからアーニャのカットだけは画面のトーンが違いますね。他のカットはオレンジでオーバーレイをかけたようなトーンですが、アーニャだけ青いトーンになっています。背景に物体がなく、星だけが映っているところからもアーニャが他のメンバーとは少し違うこと(PKとCPの所属の違い)を表していると考えられます。

今回映ったPVの範囲で想像できるのはこれくらいでしょうか。後はTPが追加されたバージョンがどんな内容になるのかが気になるところ、今から23話が楽しみです。

 

 

 

以上、今回の感想と考察でした。

長文を読んでいただきありがとうございます。